iPhoneの価格についてそろそろ一言言っておくか。

ソフトバンクから発表されたiPhone 3Gの端末価格は下記の通りで、実質的な負担金額は8GB版で2万3040円、16GB版では3万4560円となっている。アメリカでの199ドル/299ドルという発表に合わせたもので、これは納得できるプライスといえるだろう。

【iPhone料金を斬る!】2年間のトータル負担金額は何と約20万円! 軽い気持ちじゃ買えない!?

iPhoneの端末代金は、誰がなんと言おうと、孫正義が「実質負担金で2万3040円」と言おうと8GB版で6万9120円、16GB版では8万0640円である、というのが揺るぎない事実です。

以下、解説。

新スーパーボーナスの特別割引とは、あくまでSoftBankのサービス(要は月々の使用料)が対象であり、iPhoneの端末代金である月々2880円ないし3360円は、割引の対象外です。*1

すなわち、特別割引とは契約を続けることで初めて受けられる割引ですので、これを端末の割引とみなすのはおかしい、ということです。


逆に考えると、どう頑張っても払わなければいけない6万9120円ないし8万0640円を端末代金と認めれば、3ヶ月目以降の最大24ヶ月間は1920円引の5360円で使える、と考える方がわかりやすいはずです。あとは代金を一括で払う*2か分割で払う*3かは自由。

一括で払ってしまえば、

新スーパーボーナスの支払い期間は24回だが、支払いがスタートするのは3カ月目からとなる。つまり、合わせて26カ月間は機種変更や解約は基本的にできない、と考えるべきだ。
【iPhone料金を斬る!】2年間のトータル負担金額は何と約20万円! 軽い気持ちじゃ買えない!?

iPhone 3G」を購入するには「新スーパーボーナス」を利用するのが一般的だと思いますが、これが2年縛り。途中解約は違約金が発生します。
「iPhone 3G」2年間の負担額は20万円

という制約もありません*4。ハードウェアを手に入れるだけであれば、7〜8万円で可能なのです*5

なぜかiPhoneの料金(本体価格、月額料金)の話になると、毎月に支払う月額の通信料まで含めてさも本体価格であるかのように書かれた記事が多い。
なぜiPhoneだけトータル負担額で語られるのか - 北の大地から送る物欲日記

これは結局のところ、新スーパーボーナスの特別割引を「端末の割引」とみなしてしまうところと、「パケット定額フル」が必須契約である、といった事からくる解釈だと思われます。今回はiPhoneだから議論になりましたが、もちろん普通の携帯電話端末でも同様です。


昨今、「基本料金が高いのは、端末代金が上乗せされているからだ!!」ということで、契約形態の見直しが進んでいますが、SoftBank新スーパーボーナスはそれをさらに通り越して、「端末代金を高くして(ただし分割払いでそれをわかりにくくして)、それを原資に基本料を安く見せる」という作戦をやっているように思われます。

*1:iPhoneでは「パケット定額フル」の契約が必須なので問題にならないが、仮に「ホワイトプラン」だけの契約が出来た場合、割り引かれるのは980円だけ。どんなに頑張っても6万9120円ないし8万0640円は払わなければならず、2〜3万円で買えるというのは幻想でしかない。

*2:制度上、新スーパーボーナスの割賦販売契約は必須ではなく、一括払いも可能。ただし、店舗によって受け付けてくれないという事があるようだが、本来はそのような対応は認められないはず。

*3:通常の携帯電話端末の契約では12回払いも選べるが、この場合なぜか割引も12回しか行われないので、14ヶ月以上使うなら24回払いの契約の方が有利。

*4:実は、新スーパーボーナスには、長期割引の違約金に当たるものが存在しない。

*5:使えるのかどうかは別にして。